不動産価格指数

日本の不動産価格は、いま何を指しているのか

「不動産価格」を1つの数字で表す公式統計は、国土交通省の「不動産価格指数」です。年間約30万件の取引価格情報をもとに、2010年平均を100として毎月公表されています。ここでは最新の公表値をそのまま示し、どの数字が何を意味するのかを出典つきで整理します。[1]

145.1+5.3%住宅総合, 2025年12月, 2010 = 100

重要:指数の公表は現在延期されています

国土交通省は2026年8月27日付で、2026年8月31日に予定していた「不動産価格指数(令和8年5月・第1四半期分)」の公表を、算出時のプログラムの不具合により延期すると告知しました。同じ理由で2026年4月以降に予定されていた公表も延期されています。新たな公表日は未定です。[1]

つまり、いま入手できる最新の公式数値は2026年3月31日公表分、すなわち住宅が2025年12月、商業用不動産が2025年第4四半期までです。これより新しい「不動産価格指数」を掲げている情報があれば、出典を確認してください。

住宅の不動産価格指数(2025年12月・全国)

住宅は4つの区分で公表されます。総合の数字だけを見ると、実際に起きていることを取り違えます。

住宅の不動産価格指数(2025年12月・全国)
区分指数前年同月比
住宅総合[2]145.1+5.3%
住宅地118.3+1.9%
戸建住宅120.5+3.0%
マンション(区分所有)221.2+8.4%

指数はすべて2010年平均=100。季節調整をしていない原系列の値です。

上がっているのは「住宅」ではなく、マンションです

2010年を100とすると、2025年12月時点でマンションは221.2、住宅地は118.3です。同じ15年間で、マンションは2倍を超えた一方、住宅地の上昇は2割に届きません。戸建住宅は120.5で、値動きは住宅地に近い形です。「日本の不動産が上がっている」という話の大半は、区分所有マンションの話をしています。[2]

2009年からの推移

10012014016018020020092013201720212025
  • マンション
  • 住宅総合
  • 戸建住宅
  • 住宅地
縦軸は指数(2010年平均=100). 各年の公表済み月次指数を単純平均したもの。系列の開始が2008年4月のため、12か月そろう2009年から表示しています。[2]

商業用不動産の価格指数(2025年第4四半期・全国)

商業用は四半期公表です。住宅とは明確に異なる動きが出ています。

商業用不動産の価格指数(2025年第4四半期・全国)
区分指数前年同月比
商業用不動産総合[3]145.8+1.0%
マンション・アパート(一棟)174.4+4.8%
オフィス169.5-6.3%
店舗159.2+0.4%
商業地111.9-3.6%

商業用不動産総合は前年同期比+1.0%とほぼ横ばいですが、内訳は分かれています。一棟のマンション・アパートが+4.8%である一方、オフィスは-6.3%、商業地は-3.6%です。住宅の強さをそのまま商業用に当てはめることはできません。[3]

地域別の住宅指数(2025年12月)

東京都・愛知県・大阪府は都道府県単位、それ以外は地方ブロック単位で公表されます。単位が違う点に注意してください。

地域別の住宅指数(2025年12月)
エリア住宅総合前年同月比住宅地戸建住宅マンション
東京都都道府県179.9+8.1%144.3133.6230.9
大阪府都道府県157.4+8.3%132.0123.4231.6
愛知県都道府県123.7+1.9%105.0114.3191.8
北海道地方地方ブロック168.5+18.4%145.0137.0288.1
東北地方地方ブロック137.2+7.5%119.9124.1263.5
関東地方地方ブロック153.8+5.8%124.7123.5215.8
中部地方地方ブロック111.7+1.3%96.7103.0199.4
近畿地方地方ブロック148.5+7.1%117.3125.9224.6
中国地方地方ブロック117.3+0.3%103.2104.9235.3
四国地方地方ブロック110.3-6.5%106.097.4203.6
九州・沖縄地方地方ブロック150.7+8.6%127.0121.8271.4

前年同月比で最も大きく伸びたのは北海道地方の+18.4%で、マンション指数は288.1と全国で最も高い水準です。逆に四国地方は-6.5%と、唯一はっきり下げています。全国の数字1つでは、この幅は見えません。[2]

この指数の読み方と、限界

「平均価格」ではありません

指数は水準ではなく変化を表します。145.1という値は「2010年の平均的な取引と比べて45%高い」という意味であり、円建ての平均価格ではありません。実際の価格を知るには、対象エリアの取引事例を見る必要があります。

原系列なので、月ごとの振れは残ります

本ページは季節調整をしていない原系列を使っています。単月の動きではなく、前年同月比と数年のトレンドで判断してください。国土交通省は季節調整系列も同じファイルで公表しています。

地価公示とは別の統計です

毎年3月に公表される地価公示は、鑑定評価に基づく標準地の「価格」です。不動産価格指数は、実際に成立した取引価格をもとにした「指数」です。目的も更新頻度も違うため、どちらか一方で他方を代用することはできません。

個別の物件には、そのまま当てはまりません

全国指数も地方ブロック指数も、広い範囲の平均です。接道、用途地域、再建築の可否といった条件で、同じ市区町村の中でも価格は大きく変わります。購入判断には、対象地番そのものの調査が必要です。

出典

本ページの数値はすべて、以下の一次資料から直接読み取ったものです。二次的な要約は使用していません。

  1. [1]国土交通省. 不動産価格指数指数の公表ページ。公表状況のお知らせと、下記2件を含む全データファイルへのリンクを掲載。
  2. [2]国土交通省. 不動産価格指数(住宅)月次データ2026年3月31日公表のExcelファイル。本ページの住宅系の数値はすべてこのファイルの値。原系列の月次データで、2025年12月まで。
  3. [3]国土交通省. 不動産価格指数(商業用不動産)四半期データExcelファイル。本ページの商業用不動産の数値はこのファイルの値。原系列の四半期データで、2025年第4四半期まで。

出典の最終確認日: 2026-09-13

商業用不動産の数値は2025年第4四半期時点。