日本の土地の登記簿面積と実測面積を確認する方法
登記事項証明書の面積(地積)は登記された数字であり、実測値の保証ではありません。公簿売買と実測売買が面積の差をどう扱うか、契約書のどこを見るか、登記上の面積が誤っていた場合の訂正方法を解説します。
日本で土地を見つけ、広告には120㎡、登記事項証明書にも120.00㎡と書かれている。そうなると、120㎡の土地が手に入ると思うのが自然です。実際、そうなることも多いのですが、登記事項証明書に載っているのはあくまで「登記されている」面積です。そして、実際にお金を払う側にとって大事なのは、売買契約書がどの面積を基準にしているか、という点です。日本の実務ではこの2つは別のものとして扱われ、その違いには名前がついています。公簿売買(こうぼばいばい=登記簿上の面積による売買)か、実測売買(じっそくばいばい=実測した面積による売買)か、という区別です。
このガイドでは、登記上の面積(地積)と実際に測った面積の違い、2つの売り方が両者の差をどう扱うか、契約書と登記事項証明書のどこを見ればよいか、そして登記上の面積が誤っていた場合の一般的な対処法を解説します。公図や地積測量図については、日本の土地の境界を確認する方法(英語) でより詳しく扱っています。このガイドは、契約の直前によく出てくるもっと絞った疑問、**「自分は結局、何㎡分の代金を払うのか」**に答えるものです。
登記上の面積は「記録」であり、そのまま信じてよい実測値とは限らない
登記事項証明書には、すべての土地について面積(地積)が記載されています。ただし、その数字の正確さは、もとになった測量の正確さを超えません。古く精度の低い方法で登記された土地では、現在の測量で測り直すと登記簿上の面積と合わないことがあり、実務では、実際の面積が登記より大きい場合を 縄伸び(なわのび)、小さい場合を 縄縮み(なわちぢみ)と呼びます。これ自体は、詐欺や売主の問題を示すものではなく、再測量されていない古い土地にはよくあることです。
同じ土地でも、売り方は2通りある
日本の土地売買は、一般に次の2つのタイプで説明され、どちらになるかは契約書の文言で決まります。
- 公簿売買(登記簿上の面積による売買)。 登記事項証明書の面積をもとに代金を決めます。のちに測量して面積が違っていても、代金は調整しません。そのため、契約書には通常、「測量の結果、面積に差異が生じても売買代金の増減はしない」という趣旨の特約が明記されます。測量が不要なので取引は簡便で費用も抑えられますが、実際の面積が登記簿より小さかった場合のリスクは買主が負います(逆に大きかった場合の利益は買主が得ることになります)。
- 実測売買(実測した面積による売買)。 契約書には、まず登記簿上の面積を記載して仮の代金を定めます。そのうえで、最終の代金支払いの前に測量を行い、登記簿上の面積と実測面積の差を、契約書に定めた1㎡あたりの単価で清算します。実測面積が少なければ代金は下がり、多ければ代金は上がります。
仮の例を挙げます。登記簿上の面積が100㎡、契約書の単価が1㎡あたり30万円、測量の結果が95㎡だったとします。清算条項のある実測売買であれば、代金は5㎡×30万円=150万円減額されます。調整しない旨の特約のある公簿売買であれば、代金は変わらず、手に入る土地は95㎡のままです。
どちらも契約上の取り決めであり、登記制度が決めているルールではありません。自分の取引がどちらなのかは契約書の文言次第なので、どちらかが当たり前だと思い込まず、署名する前にその条項を読んでください。また、面積が不足していた場合に争いになったとき、どのような救済が受けられるかも、契約の文言や事実関係によって変わります。司法書士や弁護士、取引を担当する宅地建物取引業者に確認してください。
測量でわかること、すでに測量図があるケース
すでに境界の測量を行った土地であれば、土地家屋調査士が作成した 地積測量図(ちせきそくりょうず)が法務局に備え付けられていて、登記上の面積もその測量の結果を反映している場合があります。新しい地積測量図は、古い登記上の面積の数字よりずっと信頼できる手がかりです。個々の図面がどの程度信頼できるかの見方は、境界のガイド(英語) で解説しています。特に古い農村部の土地では、こうした図面がない土地も多くあります。
地域によっては、市町村が 地籍調査(ちせきちょうさ)を実施している場合もあります。国土調査法に基づき市町村などが行う調査で、一筆ごとの土地について所有者・地番・地目を調べ、境界を測量して面積を測定します。その成果は法務局に送られ、登記記録の内容が修正され、できあがった地籍図は不動産登記法第14条第1項の地図として登記所に備え付けられます。各自治体の案内では、調査の測量費用は土地所有者の負担にならないとされています。つまり、そのエリアで地籍調査が完了していれば、登記上の面積は測量にもとづく数字である可能性が高いといえますが、すべての地域で実施されているわけではありません。市町村の地籍調査担当課、または売主側の仲介業者に、その土地が対象になっているか確認してください。
登記上の面積が間違っているときの訂正
測量の結果、登記上の面積が誤っていることがわかった場合は、地積更正登記(ちせきこうせいとうき)によって、登記上の面積を実測面積に合わせて訂正できます。申請には測量と、そのための地積測量図の作成が必要なため、通常は土地家屋調査士に依頼します。手続きでは、隣接する土地の所有者と境界を確認することが多く、法務省は、隣の土地の所有者が分からない場合の案内も公表しています。売買の場面では、通常は売主側が行うものか、売主と買主が契約で取り決めるものです。引渡しが終わってからではなく、契約の前に話題にしてください。
署名の前に、次の順序で進めるのが実務的です。
- 土地を特定し、登記上の面積を確認する。 無料の地番検索ツール で区画を特定し、Japan Property Research で土地の登記事項証明書を1,500円で取得します。面積(地積)は、証明書の土地の表示の欄に記載されています。広告の面積、契約書案の面積と突き合わせてください。一致しない場合は、まずその理由を確認します。
- この取引が公簿売買か実測売買かを確認する。 仲介業者に、はっきり聞いてください。「公簿売買ですか、実測売買ですか」と。そのうえで、契約書案の該当条項を探します。測量で面積に差異が出ても代金を増減しないという条項があれば公簿売買、最終の代金支払いの前に測量を行い、1㎡あたりの単価で清算するという条項があれば実測売買です。
- すでに測量図があるか確認する。 法務局に地積測量図はあるか、あるならいつのものか。地籍調査は完了しているか。新しい測量図や完了した地籍調査があれば、登記上の数字をある程度信頼する根拠になります。測量図がなく登記も古いままなら、測量を求める理由になります。
- リスクを受け入れられるか判断する。 数百万円程度の、整形で境界がはっきりした小さな郊外の土地であれば、公簿売買でも妥当なリスクかもしれません。一方、広い土地や高額な土地、境界ぎりぎりに建てる予定の土地、測量図がない農村部の土地であれば、売主に測量を依頼してもらい、実測売買に切り替えるよう求めるか、少なくとも最終の代金支払い前に測量を行うことを条件にしてください。
- 取り決めは口頭ではなく契約書に入れる。 決済前の測量、その費用を誰が負担するか、清算に使う単価など、合意した内容は契約書に書き込む必要があります。「面積は問題ありませんよ」という担当者の口頭の説明は、取り決めにはなりません。
- フェンスの位置を境界と考えない。 現地で囲われている範囲は、登記上の筆界や実測面積と一致しないことがあります。境界そのものの確認方法は、境界のガイド(英語) をご覧ください。
- 重要な場面では専門家の費用を見込む。 測量や、登記上の面積が誤っていた場合の更正登記には土地家屋調査士が関わり、費用がかかります。その報酬は専門家ごとに決まる市場価格なので、このガイドの金額をあてにせず、見積もりを取ってください。
登記事項証明書から、この件について分かること・分からないことです。
- 確実に分かること: 登記上の面積(地積)、地目、そしてその土地の所有権や権利関係の履歴。「登記上、この土地はどう記録されているか」を知る出発点になります。
- 分からないこと: 登記上の面積が現地の実際の広さと一致しているか。証明書には数字が記載されているだけで、その数字がいつ、どの程度の精度で測られたものかは分かりません。また、検討している取引が公簿売買か実測売買かも、登記ではなく契約書に書かれることなので分かりません。
- 取得方法: 無料の地番検索ツール で区画を特定し、Japan Property Research で土地の登記事項証明書を1,500円で取得できます(メールで届きます)。建物がある場合は、建物の登記事項証明書が別途1,500円です。公図は500円で追加でき(ProプランとTeamプランには含まれます)、土地の形状と隣接地を確認できます。登記上の面積から想像される形と公図の形が大きく違って見えるときは、さらに質問するきっかけになります。
- 代わりにならないもの: 測量。Japan Property Research は登記事項証明書と公図を取得するサービスであり、土地を測ったり測量を手配したりするものではありません。現地の実際の面積を確認したい場合は、土地家屋調査士の仕事になります。
面積の確認が購入前のほかの確認項目の中でどこに位置づくかは、日本の不動産デューデリジェンス・チェックリスト を、登記事項証明書のほかの部分の読み方は、日本の登記事項証明書の読み方(英語) をご覧ください。境界に争いがある、大きな面積の不足がある、急いで契約書への署名を求められているなど、事情が込み入っている場合は、決める前に法務局または司法書士(しほうしょし)に確認してください。
FAQ
日本の登記事項証明書の面積は、いつも正確ですか? いいえ。登記された面積であり、その正確さはもとになった測量の正確さを超えません。特に古い土地では、登記上の面積が現在の測量結果と違うことがあります。実際の面積のほうが大きければ縄伸び、小さければ縄縮みと呼ばれます。
公簿売買と実測売買の違いは何ですか? 公簿売買は、登記簿上の面積をもとに代金を決め、後から測量して面積が違っていても代金を調整しません。実測売買は、最終の代金支払いの前に測量し、登記簿上の面積との差を、契約書に定めた単価で清算します。
日本ではどちらの売り方が普通ですか? どちらも使われており、どちらになるかは契約書の文言で決まります。思い込まず、測量した面積が違った場合に代金が変わるかどうかの条項を探し、仲介業者に書面で確認してもらってください。
実際の面積が登記より小さかった場合、お金は戻りますか? 契約の内容と事実関係によります。清算条項のある実測売買であれば単価に応じて代金が調整されますが、調整しない旨の特約のある公簿売買では、契約上、調整されません。それ以外の救済が受けられるかどうかは法律上の問題なので、署名の後ではなく前に、司法書士や弁護士に確認してください。
登記上の面積は訂正できますか? できます。地積更正登記によって、登記上の面積を測量結果に合わせて訂正できます。通常は土地家屋調査士に依頼し、測量と地積測量図を作成してもらいます。手続きでは、隣接する土地の所有者と境界を確認することが多くあります。
地籍調査が行われていれば、面積は信頼できますか? そのエリアで地籍調査が完了していれば、その成果で登記記録が修正されているため、登記上の面積は測量にもとづく数字である可能性が高いといえます。ただし、すべての地域で行われているわけではありません。市町村または仲介業者に、その土地が対象かどうか確認してください。
このガイドは建物の床面積も扱っていますか? いいえ。このガイドが扱うのは土地の面積です。建物やマンションの専有部分の面積については、日本の不動産の床面積を確認する方法(英語) をご覧ください。
関連ガイド:
- 法務省:隣の土地の所有者が分からなくてお困りの方へ(分筆や地積更正の登記のとき)— 地積更正の登記、土地家屋調査士への依頼、隣接地所有者への対応 — 法務省
- 国土交通省:地籍調査の概要(国土調査の概要)— 一筆ごとの所有者・地番・地目・境界・面積の調査、成果の登記所への送付と登記記録の修正、不動産登記法第14条第1項の地図としての備付け — 国土交通省
- 国土交通省:地籍調査の概要 参考資料 — 同上(補足資料) — 国土交通省
- 千葉市:地籍調査リーフレット — 地籍調査の測量等の費用は土地所有者の負担がないこと — 千葉市
- 和歌山県:地籍調査 Q&A — 地籍調査の内容と費用負担 — 和歌山県
- 三井住友トラスト不動産:公簿売買(用語集)— 登記簿面積による売買と、面積差を清算しない取引方式 — 三井住友トラスト不動産(業界用語集・二次情報)
- 三井住友トラスト不動産:実測売買(用語集)— 契約後・決済前に実測し、契約所定の単価で差額を清算する取引方式 — 三井住友トラスト不動産(業界用語集・二次情報)
- 三井住友トラスト不動産:重要事項説明の解説 — 公簿売買の契約に「測量で面積に差異が生じても代金を増減しない」旨の特約を付けるのが一般的であること — 三井住友トラスト不動産(二次情報)
補足:このガイドの作成時点では、作成環境から日本の官公庁サイトを直接開くことができなかったため、上記の記載は各ページそのものを通読したのではなく、検索結果に表示された各ページの要約と照らして確認したものです。人間の確認者の方は、リンク先のページで各記載をあらためてご確認ください。地積更正登記と市町村による地籍調査の説明は、上記の法務省・国土交通省などの公的ページに基づいています。公簿売買と実測売買の説明は、上記の不動産業界の情報源に示された通常の実務を反映したもので、法令に定められたルールではありません。このガイドでは、民法の個別の条文を引用することはせず、実際の面積が登記上の面積と違っていた場合にどちらの売り方でどのような救済が受けられるかについても、意図的に見解を示していません。それは契約書の文言と事実関係によって変わるため、司法書士または弁護士に確認してください。測量や更正登記にかかる登録免許税や専門家の報酬についても、意図的に記載していません。購入の判断に関わる事項は、法務局または資格を持つ専門家に確認してください。
日本の不動産所有を確認
購入前に、その土地・建物の所有者を確認する
対象の土地・建物の登記事項証明書(登記簿)を Japan Property Research でオンライン取得すれば、登記上の所有者、権利関係、抵当権まで確認できます。登記は地番で請求するため、まず地図で対象地番を特定し、1通1,500円で申請してください。書類はメールで届き、アカウントにも保存されます。
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