空き家バンク

空き家バンクとは何か、全国版はどこまで広がっているか

「空き家バンク」は、売却や賃貸を希望する空き家の所有者と、それを探す人をつなぐために市区町村が運営する登録制度です。国土交通省が構築・運営を支援した全国版空き家・空き地バンクには1,151の自治体が参画しています。市区町村だけでみた参画率は65.3%です。このページは、その制度の中身と、47都道府県それぞれの参画状況をまとめたものです。

参画自治体数(都道府県を含む)
1,151[2]
掲載件数(空き地を含む)
19,804[2]
参画率(市区町村)
65.3%[3]

データ基準時点:2026年8月末

「空き家バンク」は法律用語ではない

空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号)は、「バンク」という語を一度も使っていません。空き家バンクは法律が設けた制度ではなく、同法の枠組みのもとで自治体が運用上つくってきた仕組みです。[4]

同法が定めているのは別のことです。第2条第1項は「空家等」を、居住その他の使用がなされていないことが常態である建築物とその敷地と定義し、国または地方公共団体が所有・管理するものを除いています。第2条第2項は、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれがあるなど、周辺の生活環境の保全のために放置が不適切な状態にあるものを「特定空家等」としています。[4]

第5条は所有者等に対し、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう適切な管理に努める義務を課しています。努力義務であって、無条件の義務ではありません。第7条第1項は、市町村は空家等対策計画を「定めることができる」と書いています。義務ではなく権限です。[4]

第13条第1項は、適切な管理が行われていないために放置すれば特定空家等に該当することとなるおそれのある空き家を「管理不全空家等」と呼び、市町村長がその所有者等に指導をすることができると定めます。改善されず、特定空家等に該当することとなるおそれが大きいと認めるときは、第13条第2項により勧告に進むことができます。[4]

全国版と、自治体ごとのバンク

全国版空き家・空き地バンクは、国土交通省が公募で事業者を選定し構築費用の一部を補助した仕組みですが、運営委託ではありません。選定された2社が独立して運営しており、国は通常の運営等には関与しないと明記しています。国が関わるのは機能向上の費用負担と、参画自治体数などの定期的な集計・公表です。2026年8月末時点の参画自治体は1,151、掲載件数は19,804件です。なお、この1,151という数字は国土交通省の月次推移が数える「自治体」で、都道府県を含みます。下の表と全国平均65.3%は市区町村だけを数えた別の統計なので、両者を足したり割ったりすることはできません。[1][2]

掲載件数には注意点があります。国土交通省自身が、この件数は2社の合計であり物件の重複を含むと注記しています。さらに、このバンクは空き家だけでなく空き地も扱うため、19,804件がそのまま空き家の件数ではありません。[2]

参画率が65.3%ということは、全国の市区町村のおよそ3分の1は全国版に載っていないということでもあります。そうした自治体が独自のバンクを自前のサイトだけで公開している場合もあれば、バンク自体を設けていない場合もあります。全国版だけを見て「この町に空き家はない」と判断することはできません。[3]

バンクに載っているのは、空き家全体のごく一部

令和5年住宅・土地統計調査によれば、全国の空き家は9,002,000戸、空き家率は13.8%で、いずれも過去最高です。[5]

ただしこの9,002,000戸には、賃貸募集中の住宅や別荘も含まれます。一般に「空き家」と呼ばれる区分、すなわち賃貸用・売却用・二次的住宅を除く空き家は3,856,000戸、総住宅数の5.9%です。[5]

ただし、掲載件数をこの3,856,000戸で割ることはできません。この区分は売却用・賃貸用の住宅を除いたものであり、バンクに掲載された家はまさに売却または賃貸に出された家だからです。比較できるのは空き家全体9,002,000戸のほうで、掲載1件あたり空き家およそ450戸にあたります。これは規模感の比較であって掲載率ではありません(重複を含み、空き地も含む件数です)。いずれにせよ空き家バンクは在庫の一覧ではなく、登録を選んだ所有者だけが現れる、きわめて薄い断面です。[2][5]

都道府県別の参画率[3]

全国版空き家・空き地バンクに参画している市区町村の割合(2026年8月末時点、全国平均65.3%)。参画率の低さは空き家の少なさを意味しません。都道府県名から、その都道府県で実際に売りに出ている物件の一覧に移動できます。

参画率は、その都道府県の市区町村のうち全国版に参画しているものの割合です。独自のバンクのみを運営する自治体はここに含まれません。特定の市区町村が参画しているかどうかは、下記出典の国土交通省のページから、運営2社それぞれの参画自治体一覧をたどって確認できます。

バンクの物件を検討する前に確認すること

空き家バンクの掲載情報は、登記や法規制の確認を代替するものではありません。

出典

このページの数値はすべて一次資料によります。各数値の肩についた番号が、下の資料に対応します。

  1. [1]国土交通省. 空き家・空き地バンク総合情報ページ全国版空き家・空き地バンクの所管ページ。公募で選定された2社が独立して運営しており、国は通常の運営等には関与しない旨がQ&Aに明記されている。
  2. [2]国土交通省. 全国版空き家・空き地バンク 参画自治体数・物件掲載件数 推移本ページの参画自治体数・掲載件数は、この月次推移の最新値。単位は「自治体」であり、都道府県を含む。物件掲載件数は2社合計で、重複を含む旨が注記されている。
  3. [3]国土交通省. 都道府県別 全国版空き家・空き地バンク 参画率都道府県別の参画率(市区町村ベース)。本ページの表および全国平均65.3%の出典。
  4. [4]デジタル庁 e-Gov法令検索. 空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号)市区町村の空き家施策の根拠法。本ページが引用するのは第2条・第5条・第7条・第13条。
  5. [5]総務省統計局. 令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要2024年9月25日公表、調査基準日2023年10月1日。5年周期の調査のため、これが最新の公式数値。

リンク最終確認日: 2026-10-07